今年からニートになる奴が、すずめの戸締まりを見た。
軽い自己紹介
こんにちは。初めまして。剣呑ノイジーです。
ブログデビューです。できるだけ続けるぞ〜!(noteに投稿しようとしてたけど、なんか違う気もしてこっちにしました。)
さて、ここから普通にすずめの戸締まりネタバレ含みまーす。
さて、まぁタイトルにも書いたんですが、今年からニートに決まりました。理由は就職活動をサボったというのもありますが、一番の理由は大学時代「未来に向けて目標設計できる思考能力が著しくなくなっていた」というものです。
楽しいことも、苦しいことも、生きることもなーにもしたくないという状況の4年間。勉強楽しかったけど、それ以上に苦しかった〜〜!(まぁそんなことも相談できなかった自分がアレなんですが)
そんなことを頭に入れてもらうと嬉しいです。
草太の夢の重み
そんな自分は、なんとなくtwitterのカップリング漫画を見て、初めて「これ今見なきゃなんか損するんと違う?」と思い、映画館へ見に行きました。
実は、今日ですずめの戸締りを見て2回目になります。1回目は泣く場面もちらほらあったんですが、それ以上に面白えこの映画!となり泣く場面は少なかった。
だけど、2回目はストーリーを見終わってるからこそ、ちゃんと味わって見れる。そんな映画でした。
で、多分両サイドに挟まれた子供にドン引きされてたと思うんですが、私が一番最初に泣いた場面が、芹沢初登場のシーン。
芹沢が草太に「昨日、教職の二次試験だったのに、あいつ会場に来なくてさ。俺もそれが気になって調子狂って……」って言いにくるんですよ。そのシーンでもう私は泣いてしまっていた。
草太って、案外自分が傷ついても別にいいや……とかいう描写が目立つんですが、そんな男が夢に見ていた「教職」という仕事。
わかります。剣呑ノイジーも元教職志望者。それがどれだけ重いのかわかりますもん。
一応これ、私の学校の話になりますが。教職の授業ってめっちゃ多いし、しかも内容がかなり重め。
子供が好きだから……とか、それ以外に仕事ないから……とか、親になれって言われたから……とか、それを貫ける奴を振り落としていくような科目が多かったようなイメージ。
しかもかなり駒数が確か多かったので、戸締り旅行をしながら単位取るの絶対大変。それを乗り越えてきたのが草太という男。
草太にとって、本当に教職というものが大事だったんだなと端々からわかるんですよ。しかも子供の相手ができるというところを見ると、かなりの天職。
そんな男が、二次試験に行けなかったという話の重み。
それを仕事だと割り切ってしまえることの重み(しかもこの時点で、草太は死を覚悟していた可能性もある)。
視聴二回目だからこそ、この重みが腑に陥る。
なんで目標を持っていない奴が生きながらえているのに、目標を持っていて、それに努力を続けていた人間が、目標を諦めなきゃいけないんだ。
しかも目標を叶えられなかっただけでなく、なんでこの男が(少しの間でも)人の道を外れ、死の世界に行かなきゃいけないんだ。
それを思うと、私は一番最初に、このシーンで涙が出てしまったんです。
芹沢の夢の重みと、背中を押す環
さて、ここで草太の夢の重みについて語ったんですが。
芹沢についても語りたいのです。
きっと両脇にいた子供がドン引きした泣きどころがもう一つ。
環さんが「きっと君、いい教師になれると思うよ!」
と言った後、芹沢が嬉しそうに笑い声を上げるところです。
芹沢って、いい奴なんですよ。いい奴だからこそすごく不憫なんだと思う。
んで、から回ってるんだけど、芹沢ってめっちゃ人に気を遣える男だと思います。
同乗者が、激オモ事情持ちの思春期真っ盛りな女子高生と
「慰めも助けもいらないわ」系女性と
好きな子にこっぴどく振られた系猫という
「俺に気を使うな……」パーティなだけ。
空気読めないんじゃなくて、空気を読みすぎて、いい空気を作ろうとしている本当にいい奴(相手が悪すぎた)。
そんな男が、初登場シーンで「あいつに二度と顔を見せんなって言っておいてくれる?」と本気で草太に怒っている。
草太の回想を見るに、本気で一緒に目標を追いかけていた男なんだなって。
だから、草太のあの事が許せなかったと思う。それがセリフにも態度にもなって現れている。
こういうことも考えたら、やっぱり芹沢登場シーンで泣く剣呑ノイジー……。
しかも「気になって二次試験に集中できなかった」とあるに、芹沢にとってあのドライブの旅の時間は、夢が叶わないか夢が叶うかがわからなくて本当は不安な時期なんですよ。集中できなかったと本人が言っているのもあって、夢が叶わないんじゃないかと思ってる面が強いと思う。
そして、芹沢は教職や草太関連のことを話しているときは、いつも真面目な顔と声してるんですよね。あまり二人には見せていなかったけれど、やっぱりどっちも大切だと思っているし、何よりすずめに次いで二番目に不安だったと思います。
環さんはむしろ「すずめ何してるの!?」とか「すずめのことをわかってあげられてないんじゃないか……」とすずめのことだけを考えていたように見えるし。
ダイジンは不安というか、「嫌いって言われた……」という絶望が多くて不安ではなさそうだしと。
やっぱり、あの旅路で二番目に不安だったのは芹沢だったと思うんです。
で、これは剣呑ノイズの変な作品の見方になるんですけど……。
ルージュの伝言のシーン中に、環さんが芹沢に「あんた借金取り向いてるわね」と言われた後、芹沢は笑ってルージュの伝言を歌い出すんですよね。
あれ、私が思うに芹沢にとって、あの時に職業の話題についてはふられたくないと思うし、わりかし「借金取り」と「教師」って真逆のイメージがあるので、地味に芹沢の地雷ポイントだったんじゃないかなと思いまして。
だけど、いい空気を作るために笑って誤魔化して歌を歌い出したのかなぁと。そういうふうに思っていました。
そういうこともありつつも、芹沢は、途中まで視聴者と環さんを癒すような空気を作り続けていたんですよね。
神戸終了付近から緊張していた両脇の子供も、芹沢がなんか面白い目に遭うたびにクスクス笑い出すくらいだし。
それが、環さんが「芹沢くん、あんたいい教師になれると思う」と言ったことで、初めて芹沢が報われたんですよ。
夢の道がもしかしたら閉ざされるかもしれないという不安要素を、「いい教師になれると思う」ということで、いつかその夢が叶うと他人からも認められるってすごく素敵なことで。
で、それは間接的に、草太自身も報われる言葉なんですよね。
確かに二次試験は草太も芹沢もダメだったかもしれない。だけど、彼らならきっと、いい教師になれる。
そう考えると、あの一瞬ですごく泣いてしまって。
一番最初で泣いた場面とは違い、なんだか安堵の意味で泣いていたような。そんな気がします。
まとめと自分語り
いや、本当はもっと泣いたポイントあるんですよ!?
環さんとすずめの自転車のシーン、すごくよかったぁと思って涙腺崩壊してたし。
ラストシーンにすずめと小すずめのシーンで、「こんな小さい子にそれ事実って本当酷だよな!?」と思って号泣したし。
だけどそれ以上に、「目標に向かっていた同年代の人物が、目標を叶えられない」という事に泣いたのは、多分今の自分にしかできないって思って書かせてもらいました。
私はやっぱり、目標がない人間です。早く目標を決めて、行動をして、親に安心させてあげたい。
この映画って、私に後悔を自覚させてくれた映画だなって思って感謝してるんです。
何するのも怖くて、動けなかった時に、どうせなら旅とかに出ちゃえばよかった。一人で日本旅してぇっていう考えがあったのに。
私真面目じゃないし、わりかし思想がやばいし、子供に向き合えないって思って、教職向いてないって思って諦めたけど、もっと頑張ってたらよかったなとか。
だけどなんとなく環さんの発言に、私は草太と芹沢の二人ほど努力してないし、なんだったら色々諦めてしまった人間だけど、救われたような。
今年の4月からニートが決まったけど、それでも。ちょっとでも。目標を決めてみようと思います。
(とりあえず文章を書いてみようと思って、1日で三回の転生。これはやばいのでは???)
剣呑ノイズでした。ありがとうございました。